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2005年8月 4日 (木)

いろはの2番目の仔

iroha_2ndbaby いろはの2番目のこどものことは、このプログにも書こうかどうかずいぶん迷った。悲しい話だからだ。読みたくない人もいるだろう。

でも、動物を飼う人なら必ず体験することだし、これから猫の出産に立ち会う人もいるし、このような体験をする人もきっといるだろうからあえて書くことにした。(絵は記憶による再現)

いろはの最初の仔が無事、生まれ、呼吸し、おっぱいに吸い付いているのを見て、やすくんは電話をかけた。

いろはのお見合い相手「大地」くんの飼い主でありアメリカンショートヘア専門のブリーダーさんである猫母神さま(猫世界のことなら人間界より詳しい)とS動物病院の獣医さんにである。どちらも猫の出産に関してはプロ中のプロであった。

最初の仔の体重を計るように言われる。台所から料理用のハカリを取り出して乗せる。120グラム近くある。(後に羊水が乾いてから計ったら100グラムだった)

30分くらいしたら次の陣痛が始まるはず、1時間以上かかるなら難産だからもう一度電話するようにとの指示がでる。

電話を切ってしばらくして、バスケットを覗くと赤いものが見える。またもやいろはが赤黒い胎盤を食べている。赤ちゃんは狭いバスケットのいろはの下になって見えない。覗き込んで見つけた。二匹目のその仔を取り出した瞬間、「うっ」っと思った。明らかに最初の仔の時と違う。動いていない。ぐんなりしている。小さい!息をしていないのである。

瞬間、恐怖がよぎった。へその緒はもう切れている。5分以内になんとかして呼吸させなければならない。すぐ猫母神さまに電話した。乾いた布で身体をこすれという。こすった。ダメだ。布で身体をつつみ、頭を下にして振れという。こ、こんな小さいものをと思いながらその通りに振った。頭ががくんと揺れる。獣医さんにも電話した。口を指でこじ開けて舌を上顎から剥がし空気を吹き込めという。しかし、その口は私の小指の先より小さいのだ。どうやって・・と思いながら、勇気を奮い起こし小さな小さな口をこじあけた。舌はぴったりと上顎にくっついている。それを小指のさきで剥がして喉を覗き込んだ。小さい小さい口。鉛筆の先の芯のように細い喉、それでも細かい細工が口の中と喉の皺を構成している。

いろはの2番目の仔はついに息をすることはなかった。体重は70グラムしかなかった。羊水が完全に乾いてなかったから本当は60グラムくらいだったかもしれない。

今、思うと取り出した時点で息をしてないことがはっきりわかったのだから、まず口をこじあけて気道確保をするべきだったかもしれなかった。生まれてくることはできたのに、息をすることはできなかった。やすくんは美術解剖の研究室にいたので哺乳類の胎盤循環の呼吸と心肺の呼吸の血液循環の違いについての知識を持っていたが、実際に目の当たりにさせられたのはこれが始めてだった。中尾先生が哺乳類が最初に肺で呼吸するときは吸うのか吐くのかわからないと言っていた記憶がよみがえる。獣医さんは翌日、自分がその場にいてもへその緒から無酸素栄養の注射をすることくらいしかできなかっただろうと言ってくださった。そんな注射があるのかと驚くとともに、あの時、すでにへその緒はいろはによって噛み切られていたので、やっぱり無理だったのかなと思う。小さな命は生まれてきたのに生きることができずに手の上で冷たくなっていった。

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